皆さんは、「活字を読む」「活字離れ」などといったような言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「活字」って何?「文字」とは違うの?という方のために、今回は活字とは何かついて解説していきます。
活字とは?
活字は、本来、活版印刷で使われる文字の型のことを指していました。
活版印刷とは、15世紀にヨハネス・グーテンベルクらによって開発された印刷技術で、ヨーロッパで大きく発展したものです。 活版印刷では、「活版」と呼ばれる板に、様々な文字や記号が刻まれた金属製の「活字」を組み合わせて並べ、ページを構成します。そしてそこにインクを塗り、紙を押し付けることで印刷していきます。
この印刷方式の最大の利点は、活字を組み替えるだけで印刷の元となる版を作ることができることで、これによって書籍の大量生産やページ数の多い本の製造が容易になり、情報の普及が進みました。
本来の活字
しかし、近代においてはデジタル印刷技術が発展し、活版印刷は用いられなくなり、同時に字型の「活字」もほとんど使用されなくなりました。
現在の「活字」
ですが、今でも「活字」という言葉は生き残っています。新聞や書籍、あるいはさまざまなディスプレイなど、同じ書体で印刷・表示されているものが活字と呼ばれてるのです。
印刷された文字のように、ある「型」に基づいて大量に使用されているものを指すので、手書きの文字などは活字とは呼びません。
「若者の活字離れ」といった言い回しを聞いたことがあるかもしれませんが、これは「本や新聞を読まない」ということを「活字を読まない」と表現しているのです。
〈余談〉活字を読むと眠くなる?
余談ですが、よく「活字を読むと眠くなる」といったことが言われます。つまり、本や資料などを読んでいると眠くなるということです。
TV映像などは、直接的・感覚的に頭に入ってきますが、それに対して文章を読むときは脳をたくさん使います。それに対して長い文章や理解しづらい文章などを読むとどんどん脳が疲労していき、眠くなってしまうのです
頭を使う書籍や資料を読む際は、できるだけ一気に読むのではなく、決められた時間、決められたページや章だけ読むようにすると集中力が途切れるようなことがなくなるでしょう。
まとめ
●活字とは、本来は活版印刷で利用された文字の金属型。もしくはそれによって印刷された文字のこと。
●活版印刷が廃れた後も、書籍や新聞・ディスプレイに表示される規格的な文字という意味で使われている。