印刷物は文字の大きさで読みやすさが変わったり、1ページ(面)に入れられる文字数が変わったりします。
文字の大きさはレイアウトにも深く関わるとても大切な要素ですが、そのサイズには決められた単位があります。
ここでは、印刷物の文字の単位「ポイント」と「級数」について解説します。
「ポイント」と「級数」
「ポイント」と「級数」は、どちらも印刷物に使用する文字の大きさの単位です。
現在日本で最もよく使われているのがこの2種類となっています。
ポイントは「pt」や「p」と書かれることもありますが、文字だけでなく図形のサイズにも使われる単位です。
現代はスマートフォンやPCに表示するフォントサイズとしても、よく知られるようになりました。
Microsoft OfficeやAdobe系のソフトウェアをはじめ、デジタルの世界でもよく使われている単位です。
1ptの大きさはおおむね1/72インチが基準となっており、厳密にはソフトウェアによっても変わりますが、日本でよく使われる規格では約0.3528mmの大きさになります。
一方で、級数は「Q」と書かれることもあり、1級は0.25mmと決められています。
この場合、単純に掛け算となりますので、12級なら3mmの大きさであることがすぐにわかり、計算しやすいのがメリットでしょう。
現在日本で文字の大きさを計算するなら、ポイントと級数の2つを理解しておけばまず間違いありません。
「倍数」や「号数」も
ポイントと級数はとてもよく使われる単位ですが、ほかにも「倍数」や「号数」といった単位があります。
倍数は主に新聞で使われ、文字や写真の大きさの単位として現在も数えられています。
新聞は大見出しの文字サイズなどは本当に大きいですし、最小サイズになると本当に小さいです。
一般的な長さにすると1インチの88/1,000となり、業界の方でないとなかなか把握しにくいかもしれません。
号数は現在あまり使われていない単位で、1962年にJISポイントが制定されるまで日本で使用されていました。
初号~8号までで、数字が小さいほど文字サイズは大きくなります。
まとめ
印刷物の文字サイズを決める際には、現在はポイントと級数の2つを理解しておけば良いでしょう。
ポイントはデジタル文字などでもよく使われるため、比較的理解しやすい単位です。
級数は特に紙の世界でよく使用されますが、計算がしやすく、慣れれば扱いやすい単位と言えます。
どれくらいの文字がどれくらいの大きさなのか、実際にたくさんのレイアウトを見て慣れることをおすすめします。